【詳しく解説】スズメバチ全17種類の特徴と危険性をチェック
投稿日:2020年6月5日
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数年前まで駆除業者として働いていました。ハチ被害を少しでも減らすため、ハチに関するさまざまな知識を楽しく・わかりやすくお伝えします。
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「さっき見かけたスズメバチって、どの種類なんだろう?」
「もしかして危険な種類なのかな…?」
スズメバチについてお悩みのみなさん、こんにちは!
以前ハチ駆除業者で働いていた、フルカワと申します。
この記事では助手であるペーさんと一緒に、あなたのハチのお悩みを解決していきますよ!
このページをご覧になっているあなたは今、スズメバチの種類についてモヤモヤとお悩みではないでしょうか?
見かけたスズメバチが危険なのか、そもそもこのスズメバチの種類が何なのか、わからない….。
種類がわからないからこそ、どう対策すればいいのかもわからなくて困ってしまいますよね。
毎年多くの被害が報告されていて、万が一刺されてしまったら命を落とす危険もあるスズメバチ。
さらに、スズメバチごとの習性を知っておかないと、何もしていないのに刺されてしまうかもしれません…!
スズメバチ被害を防ぐためにも、種類ごとの基本的な特徴を知っておくことが大切です。
読めばトクする3つのこと
- スズメバチの特徴がわかる!
- スズメバチの種類ごとの危険性がわかる!
- 今日から使えるスズメバチ対策法がわかる!
※もし今、あなたの家の近くにスズメバチの巣がある場合は絶対に近づかないでください。
ご自身での駆除も可能ではありますが、安全面を考えるのであれば専門の業者に駆除してもらうことをオススメします。
この記事が、あなたのスズメバチに関するお悩み解決につながれば幸いです。
それでは参りましょう!
『ハチの知恵袋』は、ハチに関するあなたの悩みを解決するためのサイトです。
安全で正しいハチ対策のため、わかりやすさを追求して楽しく知識をお伝えします。
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全部で17種類もいる!?スズメバチの基礎知識
「スズメバチ」は、ハチ目スズメバチ科の中のスズメバチ亜科に属する昆虫の総称。
「スズメバチは危険!」ということはわかっていても、その詳しい特徴や習性について詳しく知っている方は少ないかもしれません。
日本にいるスズメバチを写真と合わせて紹介しますので、ぜひご確認くださいね。
まずは、アシナガバチやミツバチとの見た目の違いから確認してみましょう!
スズメバチは超危険!ミツバチ・アシナガバチとの違いとは
スズメバチは、あなたがよく目にするであろうアシナガバチやミツバチと比べて体が大きく、その攻撃性も段違い。
ミツバチやアシナガバチは小柄でヒョロッと細長い見た目のものが多いですが、スズメバチは丸々として大きい種がほとんどです。
スズメバチの中には比較的温厚な種もありますが、基本的には「刺激すると攻撃される」と思っていてください…!
超危険なスズメバチ、種類ごとに危険性を知って上手に対策する必要があります。
危険性の高い新種も?スズメバチの種類
日本にいるスズメバチは全部で17種類。
スズメバチ属(8種)・クロスズメバチ属(5種)・ホオナガスズメバチ属(4種)の3つの属に分類されます。
次の表は、日本にいるスズメバチ全種類の一覧表です。
スズメバチの写真をクリックすると、詳しい解説箇所へ移動します◎
スズメバチ属 | |
画像準備中 | 画像準備中 |
チャイロスズメバチ |
画像準備中 |
クロスズメバチ属 | |
(引用元:『北摂の生き物』様) クロスズメバチ |
(引用元:『土佐料理 旬の鰹がゆく!』様) |
(引用元:『ゆたかの自然散歩。』様) |
(引用元:『てんとう虫の歳時記 2』様) |
ホオナガスズメバチ属 | |
(引用元:『コーザンの自然百科』様) |
(引用元:『Coffe Time』様) |
(引用元:『虫散歩』様) |
画像準備中 |
ひとことで「スズメバチ」とは言っても、こんなに多くの種類がいるんです!
また、スズメバチ属に分類される「ツマアカスズメバチ 」はつい最近まで日本には生息していなかったスズメバチです。
2012年に対馬で発見され、外来生物としてスズメバチ属に加わりました。
生息地が広がりつつあり、とても凶暴なため危険視されています。
いろいろな迷信があるけど、
- スズメのように大きいから
- 巣の模様がスズメのような模様だから
という2つが良く噂されているよ〜。
こう考えると名前だけはかわいく思えるよね…!
【徹底紹介】スズメバチ全種類の特徴と危険性
それでは、日本に生息するスズメバチ全種類の詳しい特徴をお伝えしていきます!
以下のスズメバチについて、危険性や見た目の特徴、生息する地域などを解説するので、気になる箇所をクリックしてご覧くださいね。
最後にスズメバチの対処法もお伝えします。
「どう対処したらいいの…?」とお困りの方はこちらもご確認くださいね。
では、スズメバチ全種類それぞれの特徴を見ていきましょう!
大きさ最大級!スズメバチ属
スズメバチの中でもとくに危険とされるスズメバチ属。
大きさは最大級で危険度も高い種です。
もし見かけたら、その近くに巣があるということかも…。
危険度を5段階に分けてお伝えしていきますので、あなたの身を守るためにもぜひご確認くださいね。
オオスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:40〜45mm、働きバチ:30〜40mm |
注意すべき シチュエーション |
登山やハイキング、農作業など |
営巣場所 | 土中、木の根元、樹洞(じゅどう)など人目につかない場所 (巣が大きくなればなるほど攻撃性アップ) |
生息地 | 日本全国(北海道・東北では生息数少なめ) |
「昆虫界最大の捕食者」とも呼ばれるオオスズメバチ。
スズメバチの中でも一番体が大きく、攻撃性も高い超危険なスズメバチです。
縄張り意識が強いため、巣だけではなく餌のある場所に近づいただけでも攻撃されることがあります。
人目につきにくい場所に巣を作るため、知らず知らずのうちに刺激してしまうことも。
たとえば土の中や樹洞(じゅどう)など、よ〜く確認しなければわからないような場所です。
樹洞とは、木の中が腐って穴が空いた場所のこと。
自然の多い場所に行く際、また農作業などで木の近くを触る際は要注意です。
オオスズメバチに刺される被害は7月〜11月の間で発生し、働きバチの数がピークを迎える9月〜10月にもっとも被害件数が多くなっています。
毒性も強く本当に危険なため、もし巣が作られていたら早めに対処することが重要。
ただ、一般の方が土の中にある巣を駆除するのはかなり難しいものです…。
その凶暴性からも、オオスズメバチの巣を駆除したい場合はハチ駆除の専門業者にお願いすることを強くおすすめします。
「カチカチ音に注意して!」って?
オオスズメバチに特徴的なのは、攻撃前の「カチカチ音」。
相手へ「近づくな」と警告するために「カチカチ」と顎を鳴らします。
そのため、「カチカチ音が聞こえたら攻撃される合図!注意して!」と呼びかける専門家の人もいらっしゃるのですが…
ぶっちゃけ、カチカチ音に耳をすましている間に刺されます。
カチカチ音自体は、聞こうと意識すればよく聞こえるものです。
オオスズメバチのカチカチ音を聞くことができる動画を見つけたので、抵抗のない方は聞いてみてください。(僕は面白くて何回も聞いています…。)
ただ、瞬時に「この音はオオスズメバチだ!こっちの方から聞こえるぞ!…ということは逆方向に逃げればいいんだな!」と判断するのは難しいですよね(汗)
「何の音だろう?」とキョロキョロしているうちにオオスズメバチを刺激し、刺されてしまいます。
カチカチ音はオオスズメバチの特徴の一つとして覚えていて損はありませんが、これを判断基準にするのは難しいのが現実です…!
キイロスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:25〜28mm、働きバチ:17〜24mm |
注意すべき シチュエーション |
自然の多い場所、ベランダでの作業など |
営巣場所 | 初期:土中、樹洞、屋根裏 → 引越し後:木の枝、崖、軒下 (巣が大きくなればなるほど攻撃性アップ) |
生息地 | 日本全国 |
キイロスズメバチはオオスズメバチに次いで危険な種とされています。
見た目はオレンジ色に近い鮮やかな黄色。
体長はスズメバチの中でも小さめですが、その攻撃性は侮れません。
オオスズメバチ同様、巣に近づいただけで攻撃してくることがあります。
実際にキイロスズメバチによる被害は、日本のハチ被害の中でもっとも件数が多いんです…!
都市部や住宅地でよく見かける種であるため、私たちに危険が及ぶ可能性も高くなっています。
そうなんです。
働きバチの数が多いため、一匹に刺されると、まわりの数十匹の働きバチにも刺されることがあります。
働きバチの数のピークは以下の通り。
- 北海道:8月〜9月
- 本州以南:9月〜10月
キイロスズメバチが巣を作り始めるのは土の中や屋根裏など閉鎖的な場所ですが、働きバチの数が増えると広い場所へお引越しを始めます。
引越し先は木の枝や軒下、さらには屋外に設置されたゴミ箱の中など、私たちにとって身近な場所になることも。
巣の大きさは50cmを超えるものもあり、スズメバチの中でも最大級を誇ります。
とくに働きバチの数がピークを迎える8月〜10月の時期は要注意です…!
6月頃までの小さめの巣であれば、自分で駆除することも可能。
もし今「小さめの巣ができている」という状況であれば、放置せずに早めに対処しましょう。
ただし!命に関わる危険な作業であることを頭に入れておいてくださいね…!
モンスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:28〜30mm、働きバチ:20〜28mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業や昆虫採集など |
営巣場所 | 土中、樹洞、天井裏、壁のあいだ (巣が大きくなればなるほど攻撃性アップ) |
生息地 | 北海道・本州・四国・九州 |
お腹の波打った縞模様が特徴的なモンスズメバチ。
モンスズメバチも、オオスズメバチに次いで危険性が高いとされています。
モンスズメバチの個体数は減りつつありますが、運動能力が高く、攻撃性・威嚇性も高いのが怖いところ。
巣に近寄ると上下に飛んで威嚇します。
巣の最盛期である7月〜9月は巣の近くを通っただけで刺されてしまうことも…!
土中や樹洞に作られた巣に気づかず、遠足やお墓参り、農作業の際に刺されるケースもあるんです。
また、モンスズメバチは日没後も活動する珍しいタイプです。
モンスズメバチはエサである樹液を集めているため、「夜にクワガタ採りに行って刺されてしまった」という事例が報告されています。
セミ類を主なエサとしているため、昆虫採集やセミ採りに出かける際は注意が必要です。
ツマアカスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:30mm、働きバチ:20mm |
注意すべき シチュエーション |
自然の多い場所、高層マンションのベランダなど |
営巣場所 | 初期:土中、茂み 引越し後:数十mの樹木、高層ビルやマンション |
生息地 | 九州地方(今後拡大する可能性あり) |
2012年、対馬で発見された外来種のツマアカスズメバチ。
体全体は黒色で、お腹の先端は赤に近いオレンジ色をしています。
基本的な生態はキイロスズメバチと似通っており、最初に目立たない場所に巣を作った後に引越しを行います。
攻撃性はオオスズメバチ・キイロスズメバチに次ぐ強さで、巣を刺激した場合の反撃は「凶暴」そのもの…!
そうなんです。
巣を攻撃されると四方八方に飛び回り、攻撃対象をしつこ〜く探します。怖いですよね…。
現在は九州地方のみで生息が確認されていますが、都市部にも生息が可能。
そのため、生息地がどんどん拡大していくことが考えられます。
現在は日常生活で出くわす可能性は低いものの、生息地が広がっていった場合、とってもとっても危険なスズメバチなんです…。
ツマアカスズメバチは、ハエやトンボ、ミツバチを好んでエサとしています。
そのため、はちみつ生成への危惧や特定の種のミツバチが消滅するなど生態系への悪影響が叫ばれている状況。
巣を放置するのも危険なので、「もしかして…」と思ったら絶対に近づかず、ハチ駆除の専門業者などに相談してみましょう。
チャイロスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:30mm、働きバチ:17〜27mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業やベランダでの作業など |
営巣場所 | 他のスズメバチの巣を乗っ取り、土中、屋根裏、樹洞などに営巣。 (狭い場合は7月〜8月に引越して軒先に作ることも) |
生息地 | 北海道、本州 |
やや小型でこげ茶色の体が特徴的なチャイロスズメバチ。
生息地が限られている上に個体数が少なく、レアなスズメバチです。
ただし攻撃性は高く、巣を刺激すると10〜20mほど追い回されてしまいます。
巣に近づいただけでは攻撃されないのでご安心くださいね。
働きバチの数のピークは9月から10月。
刺された時の痛みはスズメバチ亜科の中でもっとも強いのだとか…!
日常生活で出くわす可能性が低いとはいえ、注意が必要です。
ツマグロスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:25〜28mm、働きバチ:20〜22mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業など |
営巣場所 | 草むらや木の枝、軒下など |
生息地 | 沖縄県宮古島以南の八重山諸島 (今後、北上する可能性あり) |
ツマグロスズメバチは生息地が八重山諸島に限られたスズメバチです。
頭と胸は赤褐色をしていますが、お腹の上半分はオレンジに近い鮮やかな黄色、お尻部分は黒色をしています。
近づいても威嚇されることはありませんので、過度に怖がる必要はありません!
ただし、刺激した場合の攻撃性は高いんです。
草むらなどの低い場所に巣を作ることが多いため、気付かずに刺激してしまうことも。
実際、農作業中に刺されたという被害も発生しています。
安心…とも言い切れないのがこのスズメバチの怖いところです。
今後、生息地が広がっていくことも十分考えられます。
刺激さえしなければ刺されることはないため、見つけても焦らずそっと逃げるようにしてくださいね。
コガタスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂:25〜30mm、働きバチ:22〜28mm |
注意すべき シチュエーション |
自然の多い場所 |
営巣場所 | 木の枝、軒下、物置 |
生息地 | 日本全国 |
コガタスズメバチは、スズメバチ属の中でも比較的穏やかな性格を持つスズメバチ。
模様は色味はオオスズメバチとよく似ているのですが、体は小さめです。
巣や巣が作られている場所に触れない限りは、近づいても刺されることはめったにありません。
ただし威嚇行動も行わないため、巣があることにも気づきにくいのが難点です…。
巣に気づかずにうっかり刺激し、攻撃を受けることもしばしば。
都会や住宅地など身近に生息しているため、被害件数も多くなっています。
また、沖縄以南の種は攻撃性が高く、近づいただけで攻撃されることもあるんです…!
さらに、オオスズメバチと似ていることから「コガタスズメバチだと思ったら実はとても危険なオオスズメバチだった…」なんて可能性もゼロではありません。
見かけたらそっとその場を離れましょう。
ヒメスズメバチ
危険性 | |
体長 | 女王蜂・働きバチ:24〜37mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業など |
営巣場所 | 土中、樹洞、床下、壁間、天井裏 |
生息地 | 本州、四国、九州・周辺諸島 |
体が大きく、さらに羽音も大きいとなると…「もしかしてすごく危険なハチかも!?」なんて思いますよね。
ご安心ください。
ヒメスズメバチは、スズメバチの中ではもっとも大人しい性格なんです!
近寄っただけで攻撃されることはほとんどありません。
ただし、威嚇性は高いので注意してくださいね。
ヒメスズメバチの巣を刺激すると、大顎をカチカチと鳴らして飛び回ります。
刺激しない限りは刺されることはありませんので、過度に怖がることはありませんよ◎
ビル屋上にヒメスズメバチの集団?
8月末〜10月頃に、高層マンションなどの屋上でヒメスズメバチの集団が目撃されているようです。
住民からは「屋上に巣を作られているのではないか」と不安の声が上がっていますが、実は巣を作っているわけではありません。
これはヒメスズメバチの交尾行動。
雄バチの集団が、新女王の飛来を待ち構えているんです。
雄バチは建物に沿って飛び回るため、ベランダに現れることもしばしば。
「えっ、ベランダにハチがいるんだけど!」
「窓にハチがとまってる…どうしよう!?」
とパニックになってしまうこともあるかと思いますが、雄バチは針を持っていないため刺される心配はありません。ご安心くださいね。
さて、ここまではスズメバチ属の8種を危険度順にお伝えしてきました!
- オオスズメバチ
- キイロスズメバチ
- モンスズメバチ
- ツマアカスズメバチ
- チャイロスズメバチ
- ツマグロスズメバチ
- コガタスズメバチ
- ヒメスズメバチ
それぞれの特徴を解説してきましたが、中でもオオスズメバチ・キイロスズメバチ・モンスズメバチは超危険な種であることがご理解いただけたかと思います。
超危険なスズメバチの対処法は、この後詳しくお伝えしていきます。
すぐに確認したい方は、「こんなときどうする?」疑問に答えます!をご覧くださいね。
小型で丸顔!クロスズメバチ属
続いてはクロスズメバチ属のスズメバチを詳しく紹介していきます。
スズメバチ属に比べると体は小さく、攻撃性も高くない種が多いです。
ただ、油断していると刺されてしまうかも…!
特徴や危険性について、よくチェックしてくださいね。
クロスズメバチ
(引用元:『北摂の生き物』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:15mm、働きバチ:10〜18mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業、遊園地やプールなどのレジャー施設 |
営巣場所 | 土中(稀に壁内、屋根裏、軒先、樹洞) |
生息地 | 北海道、本州、九州、四国、佐渡島、奄美大島 |
クロスズメバチはその名の通り体全体が黒色。
白に近い黄色のシマシマが細〜くあしらわれています。
体は小さめで、性格も比較的穏やかです。
余計な刺激を与えなければ、刺されることはほとんどありません。
ただし、農作業や草刈りの際は要注意ですよ…!
土の中など気づきにくい箇所に巣を作るため、巣の付近を歩いて刺激してしまうことがあります。
7月〜11月など草刈りの時期はクロスズメバチも活動期であるため、攻撃される危険性も高まるんです。
クロスズメバチが都市部に現れることはめったにありませんが、最近では行楽地での被害が報告されました。
「外で缶ジュースを飲んでいたら、甘い匂いに引き寄せられたクロスズメバチに口を刺された…!」って事故もあるんだって!
毒性は低いものの、アレルギー体質の人は重篤症状が現れるため注意が必要です。
もし巣が作られているようであれば、自分で駆除するもしくは専門の業者に駆除してもらうようにしましょう。
シダクロスズメバチ
(引用元:『土佐料理 旬の鰹がゆく!』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:15〜19mm、働きバチ:10〜11mm |
注意すべき シチュエーション |
登山、ハイキングなど |
営巣場所 | 土中、屋根裏、樹洞(稀に軒先) |
生息地 | 日本全国 |
シダクロスズメバチの見た目は、クロスズメバチとそっくり。
体全体が黒色で、細く白いシマシマがあしらわれています。
両目の内側部分がえぐれているのがシダクロスズメバチなのですが…はっきり言って、よ〜〜く観察しないと区別はつきません。
攻撃されるパターンも、クロスズメバチと似通っています。
草刈りや農作業の際に、土の中の巣をうっかり刺激してしまうと大変です。
働きバチの数の多さから考えれば、クロスズメバチよりも刺される危険性は高いと言えますね。
北海道では平地でも確認されますが、他の地域では山あいの地域に分布しています。
登山やハイキングなど、自然の多い場所に遊びに行く際は注意してくださいね。
キオビクロスズメバチ
個体数が少なく、山林に生息しているため出会う確率は極めて低いものの、油断大敵です!
ツヤクロスズメバチ
(引用元:『てんとう虫の歳時記 2』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:16mm、働きバチ:12〜14mm |
注意すべき シチュエーション |
農作業・草刈りなど |
営巣場所 | 土中(稀に屋根裏や壁間) |
生息地 | 北海道、本州、四国、九州 |
ツヤクロスズメバチは名前の通りツヤツヤとした光沢のある黒色の体がポイントです。
攻撃性・威嚇性は他のクロスズメバチよりも低く、比較的温厚な種であると言えます。
ツヤクロスズメバチの巣は土の中に作られることがほとんどですが、他のクロスズメバチに比べて浅い場所に作ることが多いのだとか。
さらに巣は和紙でできたちょうちん型をしており、ホオナガスズメバチ属の巣によく似ています。
巣を作る時期は5月〜9月の3・4ヶ月間で、こちらも他のクロスズメバチよりも短い期間になっています。
ヤドリスズメバチ
(引用元:『東京昆虫館』様)
危険性 | なし |
体長 | 女王蜂:16〜18mm |
注意すべき シチュエーション |
× |
営巣場所 | ツヤクロスズメバチの巣 |
生息地 | 北海道、本州中部地方以北 |
クロスズメバチ属、最後にお伝えするのはヤドリスズメバチです。
なんとこのスズメバチ、働きバチがいないんです…!
名前の通り、他のスズメバチの巣に宿って生きてるんだよ。
6月〜7月になると、女王蜂はツヤクロスズメバチの巣に潜り込み、巣を乗っ取ってしまいます。
本来であれば女王蜂は働きバチを産むはずですが、ヤドリスズメバチが産むのは雄バチと新女王蜂のみ。
さらに、ヤドリスズメバチが産んだハチをツヤクロスズメバチの働きバチに育ててもらっているんです。
働きバチがいないということは、巣を守るためのハチもいないということ。
そのため、ヤドリスズメバチから攻撃を受けることはないんです。
さて!ここまではクロスズメバチ属の5種を詳しく解説してきました。
- クロスズメバチ
- シダクロスズメバチ
- キオビクロスズメバチ
- ツヤクロスズメバチ
- ヤドリスズメバチ
クロスズメバチ属のスズメバチは、共通して土の中に巣を作るという特徴があります。
草刈りや農作業を行う際には充分注意してくださいね。
具体的な対策法はこの後お伝えします。
すぐに確認したい方は、「こんなときどうする?疑問に答えます!」をご確認ください。
和紙状の巣を作る?ホオナガスズメバチ属
さて!最後に紹介するのはホオナガスズメバチ属のスズメバチです。
ホオナガスズメバチ属のスズメバチは、山岳地帯など標高の高い場所や気温の低い場所を好んで生息します。
また、ホオナガスズメバチ属のスズメバチは、巣が和紙状なのもポイント。
詳しく見ていきましょう!
キオビホオナガスズメバチ
(引用元:『コーザンの自然百科』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:19〜22mm、働きバチ:14〜16mm |
注意すべき シチュエーション |
登山、ハイキングなど |
営巣場所 | 木の枝、低木の茂み(稀に軒先) |
生息地 | 日本全国(中部以南は少ない) |
キオビホオナガスズメバチは女王蜂と働きバチの大きさがまったく異なります。
一見、別の種類のスズメバチに見えてしまうこともあるんです。
また、女王蜂の見た目がキイロスズメバチに似ているのもポイントです。
先ほどお伝えした通り、キイロスズメバチは日本で一番刺される被害が多いスズメバチでした。攻撃性がとっても高いスズメバチです。
実はキオビホオナガスズメバチも7月〜8月は攻撃的で、1m〜2mの距離に近づくと攻撃してきます。
巣がついた枝などを揺らすと、働きバチが一斉に飛び立って攻撃してくるんです…!
本州では山地に生息していることが多いですが、北海道では市街地にも現れるため注意が必要です。
キオビホオナガスズメバチの巣は灰色の和紙状で、ちょうちんのような形。
シロオビホオナガスズメバチ
(引用元:『Coffe Time』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:16〜18mm、働きバチ:11〜14mm |
注意すべき シチュエーション |
登山、ハイキングなど |
営巣場所 | 木の枝(稀に土中) |
生息地 | 北海道、本州、四国(1000m〜2000mの山岳地帯) |
シロオビホオナガスズメバチは北海道・本州・四国の山岳地帯に生息するスズメバチ。
ただ、北海道・東北地方では山のふもとの平地に出没することもあるんです。
シロオビホオナガスズメバチの体は黒色で、白色の細いシマシマ模様があしらわれています。
攻撃性・威嚇性ともに高くないものの、働きバチの数がピークを迎える7月〜8月には注意が必要です。
巣を刺激すると、かなり激しく攻撃してきますよ…!
また、シロオビホオナガスズメバチの巣も灰色で和紙状になっています。
主に木の枝に巣を作りますが、民家がある場合は軒先に巣を作ることもあるんです。
巣が小さいからといって、むやみに刺激しないよう注意してくださいね。
ニッポンホオナガスズメバチ
(引用元:『虫散歩』様)
危険性 | |
体長 | 女王蜂:16〜18mm、働きバチ:11〜14mm |
注意すべき シチュエーション |
登山、ハイキングなど |
営巣場所 | 木の枝や軒先(稀に樹洞や壁間) |
生息地 | 北海道、本州(本州では標高1000m以上の山地) |
ニッポンホオナガスズメバチは、黒色で光沢のある体。
お腹には白色の斑紋がついています。
ニッポンホオナガスズメバチは、1つ前にご紹介したシロオビホオナガスズメバチとよく似ていて、判別は難しいんです…。
大きさもほぼ同じであるため、よ〜〜く観察しないことには違いがわかりません。
さらにクロスズメバチやツヤクロスズメバチともそっくりなため、混同されてしまうこともある種です。
ただし、このニッポンホオナガスズメバチは、本州では標高1000m以上の山地にしか生息していないレアなスズメバチ。
普段の生活の中でほとんど見かけることは無いかと思いますが、やはり刺激すると攻撃されてしまいます。
ヤドリホオナガスズメバチ
危険性 | なし |
体長 | 女王蜂16〜18mm |
注意すべき シチュエーション |
× |
営巣場所 | シロオビホオナガスズメバチの巣 |
生息地 | 北海道、本州の山岳地帯 |
ヤドリホオナガスズメバチは黒い体に黄色や灰色の模様がついたスズメバチです。 シロオビホオナガスズメバチの巣に潜り込んで生活します。
この女王蜂は働きバチを産むことはないため、働きバチに攻撃されることはありません。
ただし、シロオビホオナガスズメバチの働きバチは巣を守るためにうじゃうじゃ飛び回っているので注意してくださいね!
さて、ここまではホオナガスズメバチ属のスズメバチについて解説してきました!
- キオビホオナガスズメバチ
- ニッポンホオナガスズメバチ
- シロオビホオナガスズメバチ
- ヤドリホオナガスズメバチ
いずれの種も、今まで聞いたことがなかったような名前ですよね。
スズメバチ属に比べると穏やかな性格ですが、キオビホオナガスズメバチは攻撃性が高いので注意してくださいね。
「こんなときどうする?」疑問に答えます!
そうですよね。危険とはいっても、なかなかイメージがつかない方も多いはず。
そこで、みなさんが普段の生活で「危ない!」と感じるであろう瞬間をまとめてみました。
場面ごとの対応策をお伝えします。
家に入ってきたらどうすればいい?
家の中にスズメバチが入ってきたら、窓を開けて部屋を暗くし、勝手に外へ出ていくのを待ちましょう。
ハチは明るい方に向かう習性があるため、窓を開けておけば自然と外へ出ていってくれます。
殺虫剤を撒き散らしたり、ハエたたきで退治したり、無理に退治しようと頑張らなくても大丈夫。
こちらから刺激しない限り、攻撃されることはほとんどありません。
また、スズメバチを見失っても焦ってはいけませんよ…!
見失っても焦らず、スズメバチがいる可能性のある部屋を暗くして、窓を開け、出ていくのをじっと待ちましょう。
それでもやはり出て行く気配がない場合、また「どうしても今すぐ追い出したい」という場合は、ハチ駆除の専門業者に相談してみてもいいかもしれません。
1匹のハチでも駆除に来てくれる業者さんもいらっしゃいますし、過去にそのような依頼を受けたこともありました。
スズメバチの巣の駆除はもちろん、スズメバチ本体の駆除も行なっているので、頼ってみる価値アリ!です。
外で出くわしたらどうする?
突然、耳元で「ブ〜ン」と聞こえたと思ったら、目の前にでっかいハチが!(泣)
…なんて経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
外でスズメバチに遭遇したら、あなたの身を守るために次の2つの対策法が有効です。
- ゆっくりとしゃがみ、低姿勢のままその場を離れる
- ゆっくりと後ずさりし、その場を離れる
まずはしゃがんで、ハチの視界から外れましょう。
スズメバチは激しい動きに反応しやすいため、その後は慌てずゆっくり逃げてくださいね。
また、スズメバチは左右の動きにも敏感です。
そのため、急に走り出したり、手で払ったりする仕草は絶対にNG。
「うわっ、スズメバチ!!!!」と叫びたい気持ちをグッとこらえて、そっと逃げましょう。
5〜6m離れていても、狙いを定めて飛んできて針を刺すことがあるんだよ…!
オオスズメバチが巣を作りやすい樹洞や木の根元などに近づく際は、十分に周りをうかがうようにしてくださいね。
登山・ハイキングで注意することは?
登山やハイキングで自然の多い場所に向かえば、スズメバチに遭遇する確率も上がります。
自然の多いところへ遊びに行く際には、次の3つのことに気をつけましょう。
あなたの身を守るため、よく確認してくださいね…!
- 黒い服は着ない(白がベスト!)
- ひらひらとした動きのある服は着ない
- 香水など匂いがするアイテムを使用しない
まず何より注意すべきは服装です。
みなさん、何となく「黒色の服はハチに刺されやすい!」というイメージをお持ちではないでしょうか?
スズメバチはどの種類でも黒色に強く反応し、敵とみなして攻撃することがあります。
白・銀など薄い色への反応は弱いため、登山やハイキングのウェアも白系の色を選ぶのがオススメです。
さらに、ひらひらとしたスカートやワンピースなどもNG。
ハチは動きのあるものにも敏感なんです…!
夏場のキャンプなど「風通しがいい服装をしたい!」という方も多いかと思います。
しかしスズメバチに刺されてしまうリスクを考えれば、そのような服は避けるのが賢い選択です。
匂いでスズメバチを刺激してしまう可能性があるため、次のようなアイテムは使用NGです。
- 香水
- 制汗スプレー
- ヘアワックス
「匂いのするアイテムを使っていても、虫除けスプレーをしていれば大丈夫じゃん!」と思った方、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
実は、虫除けスプレーはスズメバチには逆効果なんです…。
虫除けスプレーにはさまざまな種類がありますが、ハーブ系のにおいを使用しているものは逆にスズメバチを刺激してしまいます。
制汗スプレーやワックスを使用したい!という方は、無香料のものをチョイスしましょう◎
また、スズメバチ対策についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
【スズメバチ対策をしよう】刺されるリスクを避ける対策法&応急処置
もっと知りたい!という方は、ぜひご覧くださいね!
ここまでのおさらい
- 家に入ってきたら、部屋を暗くして窓を開ける
- 外で出くわしたらゆっくりとしゃがむor後ろに逃げる
- 自然の多い場所に行く時は、黒い服・ひらひらした服・匂いのするアイテムはNG
危険を感じたら専門家を頼るのもアリ!
「怖すぎて自分じゃどうにもできない…!」
「もしかして、家のどこかに巣を作られているかも?」
そんな時は、最終手段としてハチ駆除の専門家である業者さんに駆除をお願いするのも1つの方法です。
とくに一人暮らしのお家にスズメバチが入ってきたら…誰にも頼れなくて怖いですよね。
なかなかハチに出て行ってもらえず、「これってもしかして自分で退治するしかないのかな?」と気づいた時の冷や汗といったら尋常じゃありません。
たった1匹ハチが来ただけで業者を呼ぶのは大げさかも…なんて思うかもしれませんが、安全を考えると賢い選択なんです…。
また、スズメバチがウロウロしているということは、巣がその近くに作られているということ。
夏の時期は働き蜂の数が爆発的に増えているため、そのような危険な巣は駆除の専門家にお任せしましょう。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
この記事では、スズメバチの種類がわからずにモヤモヤを抱えるあなたのために、次の3つのことをお伝えしてきました。
- スズメバチ17種類の特徴
- スズメバチの種類ごとの危険性
- スズメバチ対策法
そうですね。
もし身の危険を感じたら、または巣を作られてしまったら、業者さんに相談することをオススメします。
スズメバチの種類と危険性を知って、適切に対処しましょう!
あなたのスズメバチに対する不安が無くなり、もと通りの生活が戻ってくることを願っております。
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